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(15日、甲子園交流試合 国士舘4-3磐城)

 ベストコンディションにはほど遠くても、磐城のエース沖は必死に投げた。昨秋公式戦の防御率は0・90。主将で捕手の岩間とともにチームの躍進を支えた。しかし、7月に入ってから右ひじの状態が万全ではなかった。

 普段なら140キロ近い直球は、ほとんどが120キロ台。六回は先頭からの連打と犠飛で勝ち越されたが、踏ん張る。投球の間合いを長くしたり、短くしたり。時には塁上に走者がいなくてもクイックモーションで投げ、打者のタイミングを外した。

 自らの工夫と、打球に食らいつく味方野手の奮闘にも支えられ、最後までマウンドに立てた。「僕たちが甲子園でプレーすることに納得していない人もいる。みんなに納得してもらえる試合にしたかった」と沖。いま自分にできるすべてを、甲子園での114球に込めた。(山下弘展)

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 終盤の接戦を面白くしたのは、磐城の樋口だった。打撃の調子を落として控えに回っていた3年生は、1点を追う七回に代打で出場。内野安打を放つと、その裏、右翼の守備で本塁好返球を見せてピンチをしのいだ。九回2死、最後の打席も左前安打。見せ場を作り、「自分の今までにないプレーができました」とほほえんだ。

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 磐城の一塁手小川が、はつらつとプレーした。一回、1死三塁で三ゴロを処理した後にすばやく本塁返球。生還を狙った走者をアウトにした。五回は、右翼側にそれた送球を、地面に腹ばいになって捕球。七回は邪飛を追いかけ、勢い余ってカメラマン席に。試合後は、「勲章です」と泥だらけになったユニホームを誇らしそうに見つめた。