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(15日、ヤクルト9-0DeNA、小川が無安打無得点試合)

 九回2死。気温30度近い夜の横浜で、ヤクルト・小川の集中力は最後まで途切れなかった。胸につきそうなほど左ひざを上げるフォームから投じた135球目。最後の打者を空振り三振にしとめると、くるりと一回転して、ほえた。

 「強気でストレートを投げ込めたし、点をとってくれたので乗っていけた」

 140キロ台後半の直球に加え、カットボール、フォークの低めへの制球がさえた。打者の手元でボールを変化させ、バットの芯を外していく。足を高く上げてタイミングを外し、狙いを絞らせなかった。

 唯一のピンチは八回。先頭に四球を与えたあと、次打者を遊ゴロにうちとったものの、二塁封殺を狙った際に広岡が捕球ミス(記録は失策)。無死一、二塁で、初めて得点圏に走者を進めたが、表情は変わらない。「動じずに攻められた」。後続を3人で切って取り、汗をぬぐった。

 2013年、16勝で新人王に輝いた。だが、独特の投球フォームは右ひじに負担がかかる。17年秋に手術し、昨季はリーグ最多の12敗。幹のような太い下半身を支えにして復活をめざしてきた。

 今季5勝目を自身初の無安打無得点試合で飾り、チームの連敗を5で止めた。「まだ実感はわかないけど、これからの投球にいい影響があると思う。まだまだ成長していける」。30歳になった右腕が円熟味を増している。(室田賢)