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(16日、甲子園交流試合 鶴岡東5-3日本航空石川)

 鶴岡東の左腕阿部の直球は130キロに届かなくても、巧みな投球術があった。テイクバックの小さな変則の横手投げ。腕の高さは時折変わり、突然上手から投げる90キロ台のカーブも打者を惑わした。「打たれたらしょうがない。腕を振るだけ」。自身の悪送球で3点目を許した二回途中から開き直り、七回まで7奪三振の無失点でしのいだ。

 山形県鶴岡市出身。1年の秋、制球難を直そうと、監督の助言で横手投げに変えた。活躍した横手投げの先輩の動画も見て研究した。県外者も多い部内の競争は激しく、昨秋の公式戦は出番なし。今夏の独自大会は1試合しか登板しなかったが、あきらめずに走り込み、力を蓄えた。前日の15日夜、佐藤監督に「一番練習してきた投手にこういう舞台がふさわしい」と先発を託された。

 期待に応えた殊勲の左腕は「わくわくしながら投げた。もっとうまくなりたい」。これからも投球術を磨いていくつもりでいる。(木村健一)

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 鶴岡東の左翼手、吉田が好返球を見せた。六回2死二塁、左前に打球が飛んできた。二塁走者が三塁を回ったのを見て、素早く本塁へノーカット返球し、アウトに。「肩は弱いけど、全力で刺しにいった。今までで一番いい送球」と照れた。6月の練習試合中に左肩を脱臼し、山形の独自大会は出場できず。それでもこの日は打っても3安打2打点の活躍で、「これを財産に大学でも頑張りたい」。