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 内閣府が17日公表した4~6月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期(1~3月)より7・8%減り、3四半期連続のマイナス成長になった。このペースが1年間続いたと仮定した年率換算では27・8%減。成長率のマイナス幅は比較可能な1980年以降で最大で、事実上、戦後最悪の落ち込みだ。コロナ危機が国内経済に与えた打撃の大きさが浮き彫りになった。

 3四半期連続の減少は、東日本大震災を挟んだ11年4~6月期以来、9年ぶり。今年4~6月期はコロナ禍の影響が国内でも本格化し、経済活動が急速に縮んだ時期と重なる。GDPの減少率は、コロナの影響が出始めた1~3月期の年率2・5%減から一気に拡大。これまで最大だったリーマン・ショック直後の2009年1~3月期の年率17・8%減も、大きく上回った。

 記録的なマイナスに陥った最大の要因は、GDPの半分以上を占める個人消費が、前期比8・2%減に落ち込んだことだ。国の緊急事態宣言のもとで外出自粛や営業休止が広がり、レジャーや外食をはじめ幅広い分野で支出が抑えられた。下落幅は、消費税率が8%に上がった14年4~6月期の4・8%減を上回り、過去最大だった。

 もう一つの内需の柱である企業の設備投資も、1・5%減で、2四半期ぶりに減少した。事業環境の不透明さから、企業が慎重姿勢を強めたとみられる。住宅投資は0・2%減。内需を構成する項目は総じて振るわなかった。

 一方、輸出も18・5%減と急落した。世界的な景気後退により海外で自動車など日本製品の売れ行きが落ち込んだ。統計上は輸出に区分される訪日外国人客の消費が、渡航制限でほぼゼロになったことも響いた。輸入は0・5%減。輸出から輸入を差し引いた外需も大幅マイナスだった。

 一方、物価変動を反映した名目GDPは前期比7・4%減(年率26・4%減)だった。(山本知弘)

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 〈国内総生産(GDP)〉 国内で一定期間内に新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の合計額。一国の経済規模を示す指標として重視される。3カ月ごとの速報値を内閣府が公表する。内訳は、個人消費や設備投資、公共投資などの「内需」と、輸出から輸入を差し引いた「外需」にわかれる。GDPの増減率を経済成長率と呼ぶ。国際通貨基金(IMF)によると、名目ベースの2018年の上位3カ国は、米国(20・6兆ドル)、中国(13・4兆ドル)、日本(5・0兆ドル)。