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 意表を突く仕掛けで他者の感情を動かす現代美術家と、ひたすら自己の内面を作品化するアール・ブリュットの作家。表現の方向は正反対な2人のつくるイメージは、過剰さによって「常識」を裏切る点で共通する。桝本佳子と大井康弘のコラボレーション展が、滋賀県近江八幡市のボーダレス・アートミュージアムNO-MAで開かれている。

 桝本は信楽焼の技法をベースに陶磁器をつくる。伝統的な壺(つぼ)や鉢のフォルムと融合するように、器の表面から雁(がん)の群れや毛蟹(けがに)、アリゲーターガーといった生き物の一部が突き出している。その表現は虚実をあいまいにするほど写実的で、派手で細密な立体物で陶器の表面を装飾した明治期の「高浮彫(たかうきぼり)」を思わせる。

 「カジキ釣り/壺」では、二つの壺にそれぞれ漁船と巨大なカジキの形態が重なり、その間を釣りざおが結んでいる。壺には波の模様が施され、平面の絵の中からカジキが立体となって飛び出してきたように見える。山田創(そう)学芸員は「実用性と装飾性の主従がひっくり返り、壺なのか全く別のオブジェクトなのか、いつでも逆転できるバランスがスリリングでユーモラス」と言う。

 大井は手足や性器、骸骨といっ…

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