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 中日ドラゴンズを実況してきた名物アナウンサー2人が、プライドをかけて“対決”する「観戦じゃんけん」の後編です。観戦じゃんけんとは、プロ野球のファン同士で球場で観戦した「すごい試合」を繰り出し、どれほどディープなファンなのかを競うもの。夜のクラブで働く女性が、お客さんからもらった名刺の肩書の偉さや企業の知名度を競う「名刺じゃんけん」からヒントを得て、筋金入りの中日ドラゴンズファンの朝日新聞・中島鉄郎記者が、コラムで提唱したものだ。

 TBS系のCBCテレビで毎週日曜日に放送される「サンデードラゴンズ」の司会を務める若狭敬一さん(44)と、東海ラジオ放送の大澤広樹さん(44)。若狭さんは、テレビとラジオ合わせて年に平均15試合、通算250試合、大澤さんは平均25試合、通算500試合を実況してきた。2人がマイク越しに伝えてきた中日の戦いぶりを競う“実況じゃんけん”の結果はいかに――。

拡大する写真・図版草野球で毎年対決する若狭敬一さん(左)と大澤広樹さん=1月13日、大澤さん提供

あの認定本塁打vs.急逝のコーチ思う白星

 さて【3回戦】です。先攻の若狭さんは、「後にも先にもないだろう」と、あの本塁打を挙げた。2009年5月7日の広島戦(ナゴヤドーム)。四回、ブランコが左翼へ大きな打球を放ったときだ。「打った」と実況したが、一瞬、球が消えた。本能的に二塁の審判を見ると、腕をぐるぐる回していた。これは本塁打と判断し、「入った」と絶叫した。

 すると、球は天井から緩やかに落ちてきた。「一瞬見失っただけだから、ホームランだと思った。放送席からは死角があった」。解説の落合(英二)さんに「うそをついちゃだめでしょ。入ってないよ。あるじゃん、ボール」としっかり突っ込みを入れられたという。「失礼しました。これは天井に当たったんでしょうか?」。ブランコの打球は天井から垂れ下がる高さ50メートル地点のスピーカーを直撃した、ナゴヤドーム初の認定本塁打だった。「実は…」と大澤さん。「うちのアナウンサーも、『入った』と実況していた」。前代未聞の珍事だった。

 大澤さんは、2012年8月15日の巨人戦(ナゴヤドーム)を挙げた。先発の吉見は試合前、恩師で2軍投手コーチだった稲葉光雄さんの葬儀に参列していた。4日前、2軍戦の試合中に体調不良を訴え、搬送先の病院で息を引き取っていた。解説者時代に「絶対に勝てるようになるから頑張れ」と吉見を励ましたといい、コーチに復帰した後は基礎を教えていた。

拡大する写真・図版今季も力投する中日先発の吉見=2020年6月27日、ナゴヤドーム、上田潤撮影

 首位の巨人から、1失点の完投勝利を挙げた。「普段は余計なことを考えず、平常心で入ろうとする吉見が、『きょうだけは入れなかった』と。この心理状態で勝ってしまうのは、すごい」。選手に寄り添う、情の大澤さんらしく、「天国の稲葉コーチ、見てくれていましたか」と実況した。

 最後の【4回戦】では百戦錬磨の2人が、とっておきの試合を繰り出します。

毎週火曜日に、中日ドラゴンズにまつわる話題をお届けします。

■酔客乱入vs.赤…

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