[PR]

 夏の甲子園で選手の足元が変わった。17日に閉幕した2020年甲子園高校野球交流試合に出場した32校のうち、14校が白色のスパイクを履いた。これまでは規定で黒色に限られていたが、暑さを軽減する効果があるとされ、採り入れるチームが増えている。

 16日、炎天下の甲子園。帯広農(北海道)の選手たちは、黒土の上を白のスパイクで駆け回った。安打を放った村中滉貴(2年)は北北海道の独自大会前から履き始めたという。「北海道でも黒スパイクは日差しがくると熱がこもるけど、白だと気にならない」

 桐生第一(群馬)も白いスパイクで臨んだ。捕手の星野綜汰(3年)は「練習では黒を使っているけど、特に足の裏の暑さが違う」とお気に入りの様子だった。

 白色スパイクは昨年5月、熱中症対策の一環として日本高校野球連盟が使用を認めた。これまでは「高校野球用具の使用制限」というルールでスパイクは「黒の単色」と定められていたが、黒より温度が上がりにくいとされる白色も今春の公式戦から履けるようになった。

 ルール改正のきっかけは国際大会だった。日本高野連は、数年前から他国のチームが白色スパイクを使用していることに注目。各地の指導者からも暑さ対策として許可を求める声があがっていた。近年の酷暑もあり、議論が進んだ。

 昨夏のU18(18歳以下)ワールドカップに出場した日本代表も試験的に白色のものを使用。主将の坂下翔馬(奈良・智弁学園高―近大)は「黒だったら、汗をかいたら蒸れてしんどかったけど、白は全然大丈夫でした」。

 「選手に聞くとね、今までより熱を感じないらしい」と明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督。大手スポーツメーカー・ミズノの試験によると、気温32度で黒色のものと比較。白色の方が内部温度は約10度、表面は約20度低かったという。

 各地の独自大会でも白いスパイクにそろえたチームが見られた。日本高野連の小倉好正事務局長は「熱中症対策の一環だが、強制ではない。各チームの状況に応じて判断してほしい」とし、「今後も熱中症対策や部員の安全面に関して、できることを進めていきたい」と話している。