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 新型コロナウイルスで日本人がマスクを着けるのは、感染防止よりも「同調」のため――。こんな研究成果を、同志社大心理学部の中谷内一也教授(リスク心理学)の研究グループがまとめて、今月4日、スイスの科学誌「フロンティアズ・イン・サイコロジー」に発表した。

 調査は3月、日本人1千人を対象にインターネットで実施。マスク着用の程度などを尋ねた。

 自身の感染を防ぐという点では効果が限定的とされるマスクを、日本人はなぜ大半の人が着けているのか――。そんな問題意識が出発点になったという。

 調査の結果、コロナ流行下での着用の程度は、「頻繁に着用」とした人が最も多く51・2%、「少しは着用」が31・4%と続き、「まったく着用しなかった」は17・4%だった。

 着用理由に関連した質問もした。「感染した際の深刻さ」「自分の感染防止」「他者への感染防止」「やれる対策はとりあえずやるとの衝動的実施」「同調」「不安緩和」の6項目を設定。それぞれ、「まったくそう思わない」(1点)から「非常にそう思う」(5点)までの尺度で答えてもらった。各項目の平均点は「同調」が3・47と最も高く、「自分の感染防止」の2・57が最も低かった。

 研究グループはさらに、6項目への回答と着用程度との結びつきを分析。その結果、マスク着用には「同調」が強く関連づけられていることがわかった。本来のマスクの目的であるはずの「他者への感染防止」との関連は極めて弱かった。

 中谷内教授は「マスク着用は他者への感染を防ぐために推奨されているが、調査によれば着用者にそうした意図はほとんどなく、他人が着けているので自分もそうしたというのが主な理由だった」と指摘。「コロナ対策として、こうした同調傾向を利用する手法も考えられるが、過剰な相互監視を助長するおそれもあり、慎重な取り組みが求められる」とした。(小林正典)

■「コロナ後」の社会で役立つ研…

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