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 昨年10月の台風19号で浸水した川崎市市民ミュージアム(中原区)には、麻生区在住の日本画家・大矢紀(のり)さん(84)の作品32点も収蔵されていた。大半が専門家による修復が困難だと市から告げられた大矢さんは、自ら加筆し修復することを決め、3カ月半かかってまず150号の作品2点を完成させた。これから時間をかけて自分の作品を修復し続けるという大矢さんに思いを聞いた。

 「あんまり状態がひどいので、涙が出そうになりました」。一枚一枚思いを込めて手がけた作品の無残な姿を最初に見たのは、浸水から3週間が過ぎた昨年11月初めのことだった。停電で真っ暗なミュージアムの床に並べられていた作品を、妻トクミさん(80)と懐中電灯で照らしながら確認した。びしょびしょで、表面が波打つ作品の数々。絵の具が流れ、破れている作品もあった。

 今年1月、市の関係者が大矢さん宅を訪れた。ミュージアムの収蔵品32点中、専門家による修復が可能なのは7点、残る25点は、修復は困難だと告げられた。「それは、廃棄か焼却ということか」と尋ねると市側は「まだそこまでは決めていない」という趣旨の発言をしたという。しかし大作も多く、カビだらけで置いても邪魔になるだろうと思った大矢さんは、自分で引き取り、できる範囲でなんとかすると申し出た。

 3月になってまず「ニコライ堂…

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