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 新型コロナウイルスによる感染症の予防ワクチンについて政府の分科会は21日、新型コロナ患者の治療にあたる医療従事者や高齢者、持病がある人に優先的に接種することで合意した。分科会の意見を踏まえ、最終的に政府が方針を決める。あらかじめ優先順位を決めるのは、ワクチンが開発されても当面は供給量が限られるため。ただ、ワクチンの開発に成功する確証はなく、現時点では供給の見通しは立っていない。

 直接、患者に接する医療従事者は感染するリスクが高い。厚生労働省によると、医療機関のクラスター(感染者集団)は179件(17日時点)発生。医療機能の維持のためにも、接種の必要性が高いとされた。

 高齢者はほかの年齢層と比べ、感染すると重症化しやすく、死亡率が高い。持病のある人も重症化のリスクが高いため対象に入った。がん、慢性呼吸器疾患、慢性腎臓病、糖尿病、心血管疾患などが想定されている。

 こうした人たちに接種することで、「重症者を減らし、医療の負荷を軽減することにもつながる」と政府は説明している。

 一方、優先接種の対象として妊婦も検討されたが、感染したときの重症化リスクに加え、ワクチン接種による妊婦や胎児への影響などわかっていないことが多く、議論を続ける。ほかに検査や診断などで新型コロナ患者に対応する可能性がある医療従事者、救急隊員、高齢者施設や保健所の職員も今後、対象とするか検討する。

 また、分科会は政府に対し、接種した人に副反応が出た場合の救済措置についても検討するよう求めた。(富田洸平)

優先接種の対象者は

【優先的に接種を受ける人】

・新型コロナ患者に対応する医療機関の医療従事者

・高齢者

・持病がある人

【安全性や供給量などを踏まえ検討】

・妊婦

・新型コロナの疑いがある患者に接する可能性のある医療従事者

・高齢者施設などの職員

・救急隊員

・積極的疫学調査に携わる保健所の職員