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 高松市役所で約20年前にあった空調工事で、大量の機材が使われないまま、天井裏と地下に放置されていることがわかった。市は「今後、使うかもしれないので保管している」と説明するが、使ったことはなく、1億円以上の税金が無駄になった可能性がある。

 市役所地下2階の機械室。コンクリート柱の間に、ほこりにまみれた大量の黒いケーブルがあった。1・5メートルの高さまで無造作に積み上げられている。

 市によると、1996~99年度、3億7500万円で空調設備を交換する工事を実施。送風機を新しくしたほか、スペースごとに温度が調節できるよう、天井裏に温度センサーや制御弁を増設し、ケーブルを引いた。

 だが、各スペースの細かい温度調節はできなかった。担当者は「資料が残っておらず、理由は分からない」とし、「市の財政事情で、これ以上の大規模な改修ができなかったのでは」と推測する。空調は今も工事前の装置を用い、使っているのは送風機など一部にとどまる。

 ケーブルは2012年度、別の工事の妨げになるとして切断され、地下に移された。200個以上の温度センサーや制御弁も、市民から見えない天井裏に放置されている。

 市の担当者は「使う可能性があり、地下に保管している」と説明。将来の新しい空調設備を導入する際などを想定するが、「20年以上前のものなので、使えるか分からない」とも話す。

 各機材の価格についても「契約書などが残っていない」と言う。しかし、工事の見積もりや施工に関わった会社の元従業員は「1億円以上が無駄になった」と証言する。その上で、「個別の温度設定はバブル時代のぜいたく。業者の間でも当時、『現実的ではない』と話していた」とし、「天井裏の機材は飾りにもならない」と批判している。(石川友恵、添田樹紀)