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阪神は二回、藤浪の適時内野安打などで4得点し、連続無得点を37イニングで止めた。藤浪は一昨年9月29日の中日戦以来の勝利。

「人の痛みは分かるようになった」

 長かった。阪神の藤浪晋太郎が692日ぶりに勝った。七回途中4失点。納得の内容ではなかった。それでも、「やっと勝てたという気持ちが一番強い。苦しいことばっかりだったけど、毎日毎日コツコツやるしかないと」。勝利の瞬間、マスクの下で一瞬だけ笑った。

 山場は、自らの先制内野安打でチームが38イニングぶりの得点を挙げるなど、4点先行した直後の二回だった。味方の失策や自身の野選も重なり2失点。なお1死満塁を背負った。

 ここで腕を振った。宮本を152キロ、青木を153キロ、いずれも初球で外野フライに退けた。試合前までの得点圏被打率は4割超。制球を気にして、ピンチで縮こまるこれまでの姿はなかった。

 かつては大谷(エンゼルス)とともに世代のトップを走っていた。しかし制球難に苦しみ、昨季までの3年は3、5、0勝。「人の痛みは分かるようになった。人間として成長したと思う」。26歳になり、今季は全5試合で年下の投手と投げ合った。

 今季開幕前は新型コロナウイルス感染、練習遅刻による2軍降格もあったが、はい上がった。登板間のブルペン投球を1回から2回に増やすなど、4連敗中でも気持ちは折れなかった。

 「ちょっと楽になれるかな。周りが何日ぶり(の勝利)と言うので、一つ勝たないと付いて回る。拍手をもらえてうれしかった」。通算51勝目は、第2の野球人生始まりの1勝になる。(伊藤雅哉