第4回片っ端からDNA 協力しないと知らぬ間に親類の所へ

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宮地ゆう、大津智義、編集委員・吉田伸八、グラフィック・米澤章憲
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 東京都葛飾区柴又の住宅地に、「順子地蔵」と名付けられた小さなお地蔵さまがひっそりと立っている。そばには黄色や紫の花が添えられていた。

 1996年9月9日夕刻。この場所にあった住宅から、火の手が上がった。焼け跡から上智大4年の小林順子さん(当時21)が首を刺された状態で見つかった。玄関にあったマッチ箱や、遺体にかけられていた布団に付着した血液から犯人のものとみられるDNA型が検出されたが、容疑者はいまも分かっていない。

 順子さんの母親は、いまも週に2、3度、順子地蔵の花の世話をしに現場に通っている。

 父親の賢二さん(74)は言う。「いまはDNAしかよりどころがないのかなと感じます。DNAが一致して、捜査員からいまにも『見つかりましたよ』と電話がかかってくるかもしれない。そう思って、日々待っているんです」

 事件から20年あまりたった2017年5月。現場から徒歩数分の場所に住む男性(76)の自宅に、2人の男性が訪ねて来た。

 「DNAを採らせてほしい」。訪問してきた2人は警察手帳を見せた。

 男性の息子は、小林さんと同じ地元の中学の卒業生だった。警察官は「犯人でないということを確認するため。近所の人たちにも協力してもらっている」と話した。

 「究極の個人情報」とされるDNAやその型の鑑定結果を、警察はどのように扱い、どう運用しているのか。DNA捜査の実態を追う。

 男性が「事件には関係ないの…

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