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 コロナ禍で経済活動が停滞する中、従来の実習先で仕事を失った外国人技能実習生が在留資格を切り替えて他業種で働くケースが増えている。茨城県鉾田市では、外国人労働者の就労を後押しする民間企業が、手続きを支援している。

 外国人労働者の雇用は、従来「雇用の調整弁」と指摘され、リーマン・ショック後も突然の解雇が問題になった。コロナ禍で働き口を失った技能実習生や新在留資格「特定技能」の外国人を支えるため、出入国在留管理庁は4月、特例措置を打ち出した。

 実習生は失業した場合、同じ分野の職種でしか再就職が認められていなかった。だが、宿泊業など業界全体で需要が落ち込む職種もあり、「特定活動」の資格に切り替えれば一定の範囲の職種で最長1年働けるようにした。この特例に基づいて実習生から特定活動への資格変更が認められたのは、8月3日の時点で455件にのぼった。

 鉾田市で外国人労働者向けの講習などを手がける企業「交流中心」は7月、複数の監理団体と連携して仕事を失った実習生と人手不足の事業者のマッチングを始めた。

 各地の監理団体から求職者と求人のニーズを聞きとり、これまでに、静岡や栃木など県外の宿泊施設で働いていた実習生16人の在留資格の切り替えを支援。県内の農家で働けるように紹介した。鉾田市内では、実習生が来日できなくなった農家を中心に、なお15人ほどの働き手を求める動きがあるという。

 ただ、実習生にとっては従来の仕事と内容が大きく変わるため、混乱も予想される。同社の馬興栄(マーコウエイ)専務は「無理に農業に従事させてミスマッチにならないよう、仕事内容の十分な説明が必要だ」と話す。実際、当初は宿泊関係から46人の求職があったが、業務内容を伝えたり、事前に研修をしたりする中で、30人は辞退したという。

 7月下旬から市内の農家で働き始めた中国籍の女性(27)は、群馬のホテルのレストランで実習をしていたが、4月中旬から仕事がなくなった。自室で過ごす日が多くなり、農家で働くことを決めたという。現在は葉物の収穫期。「とにかく暑い。でも、早く作業を覚えたい」

 馬専務は、本人の希望に応じて、特定活動の期限終了後に昨年新設された外国人向けの在留資格「特定技能」の資格に切り替えられるように支援したいとしている。(久保田一道)