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 最後の出番は突然やってきた。

 今月限りでの引退を表明した鹿島の元日本代表DF内田篤人(32)が23日、現役最終戦となる本拠でのガ大阪戦に臨んだ。3試合ぶりにベンチ入りし、味方の負傷で前半16分にピッチへ。MF三竿からキャプテンマークを受け取ると、試合終了の笛が鳴るまで攻守に駆け回った。引退セレモニーでは、ルーキーだった内田を主力に引き上げたアウトゥオリ氏や、ともにリーグ3連覇を成し遂げたオリベイラ氏ら鹿島でともに戦った歴代監督たちのビデオメッセージが流れ、ジーコ・テクニカルディレクターから花束を受け取った。

 内田は2015年に手術して以降、右ひざの故障に悩まされ続けてきた。セレモニーでは時折涙をこらえながら「多くのタイトルを取った鹿島では、多くの先輩が選手生命を削りながら努力していた。いまの僕はそのような姿を後輩に見せることができない」と引退の理由を説明した。

 この日は試合前から特別な空気が流れていた。直前練習ではチームメート全員が内田の背番号「2」の入ったウェアで体を動かした。MF土居聖真は「内田さんのラストマッチ。みんな気持ちの入ったプレーが多かった」。試合も終了間際で同点に追いついた。

 セレモニーの最後、内田は晴れやかに言った。「サッカーを通じて出会えた人たちすべてに感謝。また会いましょう」(清水寿之)

引退を惜しむ声も

 ザーゴ監督(鹿) 引退の内田について「今日のうちのチャンスメイクのほとんどは彼から。チームの決まり事を尊重しながら臨機応変にやることを見せてくれた。若手が見習うところは多い。残念」。

 昌子(ガ) J復帰後初めて古巣の鹿島と対戦。内田の引退について「寂しい。これだけの偉大な選手。満員のスタジアムで送り出してあげたかった」。

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 セ大阪のMF清武が、ともに日本代表で戦った鹿島のDF内田への思いを胸に先制点を挙げた。前半19分、ペナルティーエリア中央で、タイミングをずらしながら右足で得点。内田の引退表明後に連絡を取り合い、「頑張れ」と励まされたといい、「ずっと支えてもらった。(内田)篤人君の分もと、気持ちも入った」と語った。