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 中国の長江上流域で続く大雨の影響で、世界最大級の三峡ダム(湖北省)が制限水位(145メートル)を超える状態が続いている。国営新華社通信によると、上流で起きた洪水の影響で、22日には水位が過去最高の167・65メートルに達した。

 2006年にダム本体が完成した三峡ダムは全長2・3キロ、高さ185メートル。ダムを管理する中国長江三峡集団によると、設計上の最高水位は175メートルという。6月以降、上流域で洪水が相次ぎ、その都度、流入量が増えている。最近も「第5波」の洪水が起き、同集団は流入量が過去最高の毎秒7万5千立方メートルとなると発表していた。

 約130万人を移住させるなど国家プロジェクトとして造られた三峡ダムの状況には中国国内でも関心が高い。国営中央テレビは連日、放水の様子を中継し、管理は正常に行われていると強調。ネット上には決壊を心配する声もあるが、当局はこうした書き込みを制限している模様だ。三峡ダムが変形したとの根拠不明の情報を流したSNSのページが開けなくなるなど、当局も神経をとがらせているとみられる。

 中国各地で大雨の被害が広がっており、政府は13日、約6340万人が被災し、死者・不明が219人、経済損失は約1800億元(約2兆7千億円)に上ると発表。習近平(シーチンピン)国家主席が安徽省に、李克強(リーコーチアン)首相も重慶の被災地を視察した。中国では23日以降も四川省などで大雨の予想が出ている。(広州=奥寺淳)