そのリツイート、名誉毀損かも 安易な情報発信に警鐘

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遠藤隆史
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 ツイッターで他人の投稿にコメントをつけず転載する「リツイート」をしただけで、名誉毀損(きそん)が成立する――。大阪高裁が6月、そんな司法判断を示した。ネット上で誹謗(ひぼう)中傷の拡散が社会問題化するなか、識者は「手軽にできてしまう情報発信で生じる法的責任を十分に自覚すべきだ」と警鐘を鳴らす。遠藤隆史

 「リツイートにも責任が生じるルールが形成されました。安易なリツイートで他人を傷付けることがないように最深の(原文のまま)注意を払いましょう」

 元大阪府知事橋下徹氏は6月23日、フリージャーナリストの岩上安身氏にリツイートで名誉を毀損されたと訴えた訴訟で、二審の大阪高裁で勝訴したことを受け、自身のツイッターにそう投稿した。

 岩上氏は、府知事時代の橋下氏が「幹部職員を自殺に追い込んだ」などとする趣旨の第三者のツイッター投稿(元ツイート)を、自らのコメントを付けずにリツイートした。

 この大阪高裁判決はコメントを付けないリツイートについて、「元ツイートの表現が他人の社会的評価を低下させるものだと判断される場合、経緯、意図、目的、動機などを問わず不法行為責任を負う」と判断。その上で、投稿者には「投稿に含まれる表現が他人の品性や名声などを低下させないか、相応の慎重さが必要だ」と述べ、岩上氏に33万円の支払いを命じた一審・大阪地裁判決を支持し、岩上氏の控訴を棄却した。

 岩上氏側は控訴審で、「リツ…

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