果物もマムシも乾燥 「神様」が守る本田宗一郎氏の教え

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女屋泰之
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凄腕しごとにん

ドライアップジャパン 会長 瀬川幸三郎さん(74)

 くしゃくしゃなパチンコ店の折り込みチラシ。その裏には、場違いとも思える図形や数値が細かく刻まれていた。新しい乾燥機の設計図を考えるアイデア帳だ。お国自慢の宮崎県産マンゴーをはじめとするフルーツや、魚、花など、様々な素材の乾燥機を手がける。

 乾燥とは「品質を変えずに水分を抜くこと」だという。シンプルだが、奥が深い。温度や風の当て方ひとつで、色合いや風味が変わる。素材に応じてオーダーメイドで乾燥機を設計し、組み立てる。一方で、乾燥加工そのものも受託する。「自ら乾燥もやる乾燥機屋」という点が信頼され、全国から依頼がくる。これまでに乾燥させたものは100種類以上。何でも引き受けることから、いつからか「乾燥の神様」と農家に呼ばれるようになった。

 ホンダの子会社に入り、技術者のいろはを学んだ。創業者の本田宗一郎氏からは「3割考えたら動け」と教えられたという。長考せず動きながら考えろという教訓を生涯大事にしてきた。

 40代で会社を立ち上げた…

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