米シリコンバレーの秋の新学期のスタートは早い。中心部に位置するカリフォルニア州パロアルト市では8月17日に始まった。地元小学校の保護者らはグーグルなど米巨大IT勤めが多い。だが、授業に使われているのはオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」。中国出身のエリック・ユアン氏が創業した米新興企業「ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ」のソフトだ。
この地域に外出禁止令が出たのは3月半ば。オンライン授業で最初に使われ始めたのが「ズーム」だった。新学期にも継続して使われるのは自然な流れだ。
拡大するズームで行われているシリコンバレーの小学校のオンライン授業(画面は、ぼかしてあります)=今年6月、尾形聡彦撮影
ズームは昨年末に約1千万人だった毎日の利用者が、今春には3億人に急拡大。勢いは続く。米巨大ITのグーグルやフェイスブック(FB)は、巻き返しに必死だ。
グーグルは今月、「G Suite(Gスイート)」のオンライン授業ツールで、グループごとの作業や翻訳機能などの強化を発表。「グーグルミートはGスイートと深く統合されている。利用者にできるだけ多くの選択肢を提供したい」。同社の製品責任者のザック・イェスケル氏は私にこう強調した。
拡大する米グーグルは8月、ネットを介して開いた会見で、オンライン授業向けの新たな機能を説明した=尾形聡彦撮影
一躍、追われる側となったズームは米企業で、米市場に昨年上場した。ただ、米国内では中国系企業との見方が少なくない。大規模な開発チームを中国本土に置く。今年6月には、中国で1989年に民主化を求める学生運動が弾圧された「天安門事件」に関するズーム上の会議を中国政府の要請で阻止した。
米国でズーム以上に警戒されて…
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朝日新聞国際報道部