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【答える人】山崎良二さん 大阪警察病院整形外科(脊椎・脊髄センター、スポーツ医学センター)医長(大阪市天王寺区)

 中学3年の男子。入学する直前ごろから、サッカーの練習で長時間走っていると腰痛が出るようになり、最近では歩いたり座ったりしているだけでも痛みが続きます。整形外科を受診してMRI検査を受けましたが、とくに問題はないといわれました。(東京都・K)

 Q 原因は何でしょうか。

 A 高齢者では、腰椎(ようつい)という骨や、骨をつなぐ椎間板(ついかんばん)が加齢により傷むことで腰痛となることが多く、原因がはっきりしないことも珍しくありません。若い人の場合は、可能性の一つとして、腰椎(ようつい)の疲労骨折が考えられます。正式には腰椎分離症といいます。

 Q どんな現象ですか。

 A 同じ場所に繰り返し負荷がかかることで、骨にひびが入ったり折れてしまったりして、痛みを生じます。小中高生の腰痛の約4割に該当するといわれています。サッカーならボールを蹴ろうとして体を反るときに痛めることが多く、程度によっては座っているだけでも痛みが出ます。

 Q MRI検査では問題はなかったようですが。

 A 腰椎分離症は、「脂肪抑制」という撮影方法でMRI検査をすると見つけやすくなります。通常の撮影方法のみでは見落とすことがあります。それでも腰痛の原因が分からない時はCT検査を追加したり、痛みの原因になりそうな部位に麻酔薬の注射(ブロック)をしたりして調べていきます。

 Q 治療はどのように。

 A 腰椎分離症の痛みは成長につれて治ることも少なくないので、様子をみることもあります。大事な試合の前にだけブロックをすることもあります。症状が起きてすぐの急性期の場合などは、骨がくっつくように特殊なコルセットを着けたり、手術をしたりすることもあります。

 Q ふだんのケアは。

 A 股関節のストレッチや、インナーマッスル(体の深部の筋肉)のトレーニングが重要です。日本整形外科学会や日本スポーツ協会の認定スポーツ医であれば、若い世代の腰痛にも詳しい人が多いと思います。

 Q この方は整形外科で「ストレートバック」と指摘されたそうです。

 A 脊椎は首からお尻にかけてS字になっていますが、腰椎がまっすぐになっているのがストレートバックです。ストレートバックが腰痛の原因になっていることもありますが、むしろ痛みを避けようとして結果的にまっすぐになっている場合が多いです。

 Q 腰椎分離症はなぜ起きてしまうのでしょうか。

 A 腰椎分離症の発生頻度は、中学生や高校生で高くなります。このことから、部活動で練習量が大きく増えることとの関連が指摘されています。身体と運動能力の成長は個人によってそれぞれなので、一律にハードな練習をさせることには注意が必要です。腰椎分離症は小学生でも起こることがあり、若年であるほど、折れた場所の骨どうしがずれてしまう「分離すべり症」へと進行しやすいため、しっかり治療することが大切です。

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