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 第67回日本伝統工芸展(日本工芸会、朝日新聞社など主催)で文部科学大臣賞を受賞した久留米絣(かすり)作家の松枝哲哉さんは7月、食道がんのため64歳で死去した。自ら家族に「会心の作」と語り、遺作となった受賞作「光芒(こうぼう)」は、「これからの久留米絣の道標となるべき作品」との高い評価を得た。

 夜空を思わせる深い紺の地に、白い星が尾を引いて広がる意匠がリズミカルに重なる。親交の深かった木版摺更紗(もくはんずりさらさ)の人間国宝(重要無形文化財保持者)、鈴田滋人さん(66)=佐賀県鹿島市=は「近年の制作の集大成の作品だ」と評する。

 星の輝きは、10年前の初入賞作「遥光(ようこう)」など長年取り上げてきたモチーフだ。「光の抽象性と星の具象性を兼ね備え、動きを感じさせる作品になった。追究してきた光の表現の一つの答えだと感じた」。鈴田さんは「最も信頼するものづくりの仲間だった。工芸界にとっても大きな痛手だ」と惜しむ。

 松枝さんは150年前、福岡県…

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