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 人文・社会科学の新刊本を中心にした独自の品ぞろえで多くのファンがいる京都の名物書店「三月書房」(京都市中京区)が6月、70年にわたる店頭販売の歴史に幕を閉じた。「週休七日 年中全休」の状態が続いているが、開店中のように見える「だまし絵」がシャッターに描かれ、注目を集めている。

 三月書房は1950年に開業。独自のセンスで思想書や歌集などをそろえ、思想家吉本隆明さんや歌人河野裕子さんら文化人が多く訪れたことでも知られる。「店主が高齢化し、後継者がいない」ため、6月11日から店頭販売を中止。定休日を「毎日」としている。年内はオンラインでの通信販売を続ける予定という。

 店頭販売をやめた直後、3代目店主の宍戸立夫(たつお)さん(71)が「シャッターが閉まったままでは景色がよくない」と考えていたところ、生物学者で青山学院大教授の福岡伸一さん(60)から連絡があった。京都大出身で、三月書房のファンという福岡さんは、シャッターにデジタル写真を使った「だまし絵」を描くことを提案。宍戸さんも快諾し、福岡さんと費用を折半することにした。

 店頭販売していた当時、店内の様子を撮影した写真を引き伸ばした。画像が粗くなるため、絵画風に加工。今月24日、業者がシャッターに貼り付けた。写真には店の前に置いていた自転車がガラス戸に映っていたため、それに合わせ、本物の自転車も出している。宍戸さんは「閉まったと思っていた店が開いている、とだまされてもらえれば。往生際が悪いと言われそうですが……」と笑う。

 福岡さんは、学生時代から三月…

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