強まる米中軍事摩擦 米「ソ連を研究したように備えよ」

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北京=冨名腰隆
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 中国国防省は25日夜、中国軍が実弾演習のために設定した飛行禁止区域に米軍のU2偵察機が無断で立ち入り、訓練を妨害したとする非難声明を発表した。一方、エスパー米国防長官は中国の強軍路線が米国や周辺国に脅威を与えていると主張、国際社会に対応を呼びかけた。米中対立が激しさを増すなか、軍同士の摩擦も目立ち始めている。

 声明によると、飛行禁止区域への進入は25日に発生した。中国は24~26日に山東省青島沖の黄海で実弾演習を実施しており、U2はそのために設定された飛行禁止区域に入った模様だ。中国国防省の呉謙報道官は米側に抗議したことを明らかにし、「あからさまな挑発行動で、断固反対する」と批判した。演習区域への進入行為に対する非難声明は異例だ。

 米国は18日にもミサイル駆逐艦マスティンが台湾海峡を通過するなど、中国軍への牽制(けんせい)を強めている。

 エスパー氏は24日、米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で「中国軍は国家ではなく、中国共産党に属している」と指摘。米国や同盟諸国の利益を損なう経済・外交政策を実現するために軍事力を高めているとし、「20世紀にソ連軍を研究・対応したように、世界は中国軍の動きに備えなければならない」と訴えた。

 一方の中国軍も7月以降、南シナ海などで軍事演習を展開しており、現在も黄海に加え渤海、南シナ海で演習中だ。27日から東シナ海でも訓練を始める。

 フランスの軍事専門サイトに…

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