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 11月3日の米大統領選は、再選を目指す共和党のトランプ大統領(74)に、民主党のバイデン前副大統領(77)が挑む構図となった。勝者はどのように決まるのか。

 米大統領選の大きな特徴は、直接選挙制ではなく、間接選挙制を採用していることだ。各候補は、有権者から直接得た得票数ではなく、人口などに応じて各州に配分された「大統領選挙人」の数を競う。

 選挙人は全米で計538人。ネブラスカとメーンの2州をのぞき、各州の投票で1位になった候補者が、その州の選挙人を全て獲得する「勝者総取り方式」が採用されている。例えば、ミシガン州でトランプ氏の得票が1票でもバイデン氏を上回れば、同州の16人の選挙人は全てトランプ氏が取ることになる。

 こうした仕組みのため、選挙人の獲得数で勝った候補が、全米の得票数では負けているという現象が起こることもある。

 2016年大統領選では、民主党のクリントン元国務長官の得票が全米でトランプ氏よりも約300万票多かった。だが、中西部の複数の州で、トランプ氏が小差ながらクリントン氏よりも得票が多かった結果、選挙人を306人獲得し、クリントン氏の232人を上回った。2000年の大統領選でも、同じような「逆転現象」が起きた。

 そこで重要になるのが、共和党、民主党の支持層が拮抗(きっこう)し、どちらが勝つか予想するのが難しい州での選挙戦の行方だ。

 全米50州のうち、共和党が強い州は「レッドステート(赤い州)」、民主党の強い州は「ブルーステート(青い州)」と言われている。大まかに言えば、内陸部は「レッドステート」、東西海岸部は「ブルーステート」が多い。これらの州の多くでは、過去の有権者の投票行動から、どちらの党の候補が勝つのかがほぼ確定している。

 どちらが勝つか予想するのが難しい州は「激戦州」と呼ばれたり、毎回結果が異なることから「スイングステート(変動する州)」と表現されたりする。

 今回、特に関心を集めている激戦州は六つだ。そのうち、中西部のミシガン(選挙人16)、ペンシルベニア(同20)、ウィスコンシン(同10)の3州は、いずれも「ラストベルト(さびついた工業地帯)」にある。16年の大統領選ではトランプ氏が白人労働者の支持を集めて勝利。共和党候補としては、1980年代以来初めてのことだった。

 アリゾナ(同11)、フロリダ(同29)、ノースカロライナ(同15)の3州も重要だ。4年前はトランプ氏が獲得したが、若者の流入などもあり、バイデン氏が伸びる可能性もある。

 今回の大統領選は、現職のトランプ氏の4年間を問う「信任投票」の意味合いも強い。それだけに、トランプ氏にとっては、これらの州で4年前の再現ができるかどうかがカギとなる。(ワシントン=園田耕司)