【動画】ケニアとパキスタンのバッタの大群の様子
小麦やトウモロコシを食い荒らすサバクトビバッタの被害が今年、世界20カ国以上に広がっている。アフリカ東部や南アジアでは、すっぽり町を覆うほど巨大な群れが襲来し、新型コロナウイルスの感染爆発と相まって、食糧不安や貧困問題に拍車をかけている。
乾いた薄茶色の大地が広がるケニア北西部ロキリアマ。点在する草むらに足を踏み入れると、地面が「カサカサカサ」とうごめいた。無数のサバクトビバッタだ。
カメラを近づけると、大群が砂ぼこりを立てて舞い上がった。すぐ近くに、バッタの死骸で埋め尽くされた一帯があった。鼻にツーンとくる異臭が漂う。住民によると、殺虫剤をまいた「残り香」だ。
7月下旬、「ケニアで過去70年で最悪」と言われるバッタの食害の現場に、朝日新聞助手が入った。
ロキリアマのあるトゥルカナ…