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 南極の昭和基地は地球を探る重要な拠点だ。誰も体験したことのない孤立無援、極寒の世界への挑戦から六十年余。世界各地とも連携しながら、次世代へつなぐ観測が続けられている。太陽が輝く季節が戻り、61次南極観測隊の越冬は後半戦に突入した。(昭和基地=中山由美)

 1次隊は1957年1月に昭和基地を開き、4棟の建物で11人が越冬を始めた。今は61次隊の28人が越冬中。施設数は67に、観測の種類も格段に増えた。

 観測には、夏や一定期間に取り組むものと、決まった手法でデータを長期にとり続けるものがある。地磁気、潮汐(ちょうせき)、気象、大気、オーロラ……。大地や海、空を見つめ、数年、時には数十年追うことで見えてくる変化もある。

気象・24時間絶え間なく

 目の前が白くかすみ、雪がたたきつける。ブリザードであろうと、気象観測は24時間休みなしだ。ロープをつたい、安全を確保しながら約50メートル先の基本観測棟へ向かう。

 高度約30キロまでの気温や湿度、風向、風速を測る気象観測ラジオゾンデは毎日世界約800カ所一斉に、昭和基地では午前と午後の2時半に上げる。直径1・5メートルの気球を、強風の時は方向やタイミングを見計らって放つ。ぶら下がる観測機からデータが届き始めると、隊員の表情がほっと和らぐ。

 現在は地上気象やオゾン、日射・放射など観測も多岐にわたる。「厳しい自然環境の中、1次隊から続く観測に使命感をもって臨んでいる」とチーフの高見英治さん(40)。地道な継続は世界的発見にもつながった。82年、気象庁の忠鉢繁隊員が上空オゾンの急減をとらえ、後にオゾンホールとして全世界の注目を集めた。

 南極上空では冬、零下約80度の極域成層圏雲が発生する。その雲粒に太陽光があたり、化学反応で塩素が発生し、オゾンを壊す。極夜が明け、隊員たちは今、オゾンホールを集中的に監視している。

天体の電波で地球測量

 白い雪の丘に大きな黒い球体が…

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