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 熱帯病マラリアの原因になる寄生虫は、ヒトのものにそっくりなたんぱく質を作ることで、体を守る免疫の働きを抑えて感染することを、大阪大と英オックスフォード大などの研究チームがつきとめた。発見を治療法につなげることをめざす。

 マラリアは結核、エイズに並ぶ世界3大感染症とされる。寄生虫のマラリア原虫を持つ蚊に刺されると感染し、高熱や吐き気などの症状が出る。マラリア原虫には、免疫が効きにくく、何度も感染を繰り返す厄介な性質がある。

 チームは、マラリア原虫は、ヒトの赤血球に感染すると、「RIFIN」というたんぱく質をつくり、これが免疫を抑える信号を送ることで、重症化を起こすことを3年前に見つけた。

 今回、RIFINの構造を詳しく解析したところ、ヒトの特定のたんぱく質の構造の一部にそっくりなことがわかった。このたんぱく質は、免疫が自分の体を誤って攻撃することを防ぐしくみにかかわる。

 このたんぱく質は、免疫の働きを抑える分子に結びつく。形がそっくりなRIFINも、やはりこの分子に結合し、免疫の攻撃をかわしていることがわかった。

 チームの荒瀬尚・阪大教授は「マラリアワクチンや治療薬の開発にも役立てたい」と話している。研究成果を英科学誌ネイチャー(https://doi.org/10.1038/s41586-020-2530-3別ウインドウで開きます)に発表した。(瀬川茂子