金正恩氏、台風被災地を視察 「被害を最小化」アピール
ソウル=神谷毅
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、台風8号の被害を受けた南西部・黄海南道を視察した。朝鮮中央通信が28日、報じた。正恩氏は被害が予想より小さかったとし、「安全対策を取ることで人命被害を減らし、被害規模を最小化できた」と語った。
北朝鮮では、国際社会の経済制裁に新型コロナウイルス流入を防ぐ国境封鎖で経済が厳しくなっているところに、最近は集中豪雨による水害で農地に被害が出て、今後の食糧事情に懸念が高まっている。正恩氏は水害の際も直後に現地を視察したが、今回もすぐに現場に駆けつけ、自らの指導により被害を抑えたことをアピールしたようだ。
また、同通信によると、正恩氏は復旧活動をめぐり「農作物の被害を正確に診断し、生育を改善する対策を立て、収穫の減少を最小限に抑えるべきだ」と指示した。今後の食糧生産の行方に正恩氏が懸念を持っていることの表れだとの指摘がある。(ソウル=神谷毅)
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