【動画】辞意を表明した安倍晋三首相。歴代最長の7年8カ月の政権を振り返る
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 安倍晋三首相は28日、持病の悪化で辞任する意向を固めた。同日夕、首相官邸で記者会見を開き、辞任を正式に表明する見通しだ。2012年末から約7年8カ月続き、憲政史上最長となっていた第2次安倍政権は突然の幕引きとなった。

 安倍首相は同日午後、自民党本部で二階俊博幹事長と会談し、辞任の意向を伝えた。今後の党運営などについても協議したとみられる。

 首相は今月17日、24日の2度にわたって、慶応義塾大学病院(東京都新宿区)を受診。首相は2007年の第1次安倍政権時に辞職した際、持病の潰瘍(かいよう)性大腸炎を公表しており、与党からも首相の健康を不安視する声が広がっていた。

 辞任の意向を受け、自民党は臨時役員会などを開き、後任を選ぶ総裁選などの協議を行う見通し。「ポスト安倍」として首相が期待してきた岸田文雄政調会長や、首相とは距離のある石破茂元幹事長に加え、政権を支えてきた菅義偉官房長官らを軸とした候補者選びが始まることになる。

 安倍首相は07年に自身の体調不良などから約1年で首相を辞任。12年の自民党総裁選で再び勝利し、返り咲いた。同年12月の衆院選に勝利し、民主党から政権を奪い返した。15年総裁選は無投票で再選、18年は石破氏を破って3選を果たした。今年8月24日には大叔父である佐藤栄作氏が持つ連続在職日数の2798日を超え、最長政権の記録を更新したばかりだった。

 首相は第2次政権の約7年8カ月の間、大胆な金融緩和を主軸とする「アベノミクス」と呼ばれる経済政策を推進。消費税を14年と19年の2回、引き上げた。批判の多い集団的自衛権の行使を可能とした安全保障法制や、特定秘密保護法、共謀罪などを成立させた。

 一方、首相自身や妻昭恵氏の関与が追及された森友・加計学園問題や「桜を見る会」などの問題も相次ぎ、長期政権における弊害も指摘されていた。

 今年に入っては新型コロナウイルス感染症の拡大により、今夏に予定されていた東京五輪・パラリンピックの1年延期を決定。コロナ対応では「アベノマスク」と揶揄(やゆ)された布マスクの全戸配布や自宅でくつろぐ動画の投稿などで批判にさらされ、今年5月の朝日新聞の世論調査では内閣支持率が29%と第2次政権下で最低を記録。厳しい政権運営を強いられていた。