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 7年半におよぶ長期政権を築いた安倍晋三首相が突然、辞意を表明しました。2015年に朝日新聞朝刊に掲載した連載「70年目の首相」の一部から、安倍首相をかたちづくった思想やその背景、政権のこれまでの歩みを振り返ります。(敬称略、年齢・肩書は掲載当時)

【2015年10月1日朝刊4面】

 安全保障関連法案の国会審議が佳境を迎えていた今年9月4日。首相・安倍晋三は、読売テレビの二つの番組に出演するために大阪に赴いた。一つは、健康問題で首相を辞任して失意にあったときに安倍が出演していた番組だった。

 民主党政権が誕生してから1年近くたった2010年夏のこと。「テレビの人間だったら、何か企画はできないのか。安倍君をうまく引っ張りだす方法を考えてくれ」

 政治評論家の三宅久之は、読売テレビの番組「たかじんのそこまで言って委員会」のプロデューサー井関猛親(たけちか)に持ちかけた。関西エリアを中心に放映される人気番組だ。

 安倍は、09年衆院選で6選を果たしたものの、「政権投げだし」という批判は消えていなかった。再び表舞台に押し上げるにはどうしたらいいのか。三宅は苦悩していた。

 三宅は毎日新聞の政治記者出身。父・晋太郎の代から安倍家との関係は深い。三宅は「一度、自民党におきゅうを据えた方がいい」と番組で発言し、政権交代を後押ししたことに責任を感じていたと、井関は振り返る。

 話を振られた井関は、安倍が自民党幹事長時代に出演したときのことを思い起こしていた。

 やしきたかじんが「2人とも忙しいけど、いっぺん、養生しに温泉でも入りにいかへん? ゆっくり裸の付き合いでも」と水を向けると、安倍が「いいですね」と応じるシーンだった。

 社交辞令に過ぎなかったかもしれないやりとり。だが、井関はこれをもとに、ある企画を考える。

 番組収録は10年12月4日に…

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