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 国の特別天然記念物コウノトリのペアが営巣している徳島県鳴門市大麻町で26日、巣が作られた電柱につながる電線の架け替え工事が実施された。コウノトリの保護が目的で、県は今年度中に四国電力送配電から電柱の所有権を引き継ぎ、繁殖を促す「人工巣塔」として活用する。

 ペアは2015年、兵庫県北部から飛来。頂上に木の枝や草などを積んで直径約2メートルの巣を作り、毎年営巣している。17年に初めてヒナがかえり、これまでに計11羽のヒナが巣立った。

 県によると、コウノトリの営巣が始まって以来、電線は通電していなかったが、コウノトリが電線に接触したり、ふんで電線が腐食したりする恐れがあった。一方で、巣は電線に絡まるように作られており、電線を取り除くと、巣が落下する恐れもあった。

 県は、四国電力や専門家らとともに電線の撤去方法を検討。巣が落下しないように電線の一部を残し、巣のそばに新たに設けた2本のコンクリート柱につなぎ替える工事をした。

 県は2018年にも、同市大津町にコンクリート製の人工巣塔を設けており、市内の人工巣塔は2本目となる。担当者は「コウノトリが違和感を覚えて巣に戻らなくなるリスクを避けるため、現在の巣の状態がほぼ残るようにした。これからも繁殖を続けてくれれば」と期待した。(吉田博行)