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 自民党は1日午前に総務会を開き、辞任表明した安倍晋三首相(自民党総裁)の後継を決める党総裁選について、投票権を国会議員と都道府県連の代表者に限る「簡易総裁選」とすることを決めた。従来の総裁選と比べて地方の意見が反映されにくいことから反発もあったため、各都道府県連に予備選挙を要請する。総裁選の選挙管理委員会は2日に開催する。

 総務会に先立って開かれた党役員連絡会後の記者会見で、二階俊博幹事長は「政治空白は一刻も許されない。コロナウイルスの感染で国民が大変な不安に陥っているときに、積極的な対応を早急に講じていかなければならない」と述べ、全国の党員・党友投票を省略し、国会議員と都道府県連の代表で新総裁を決める「簡易総裁選」を選択する考えを明らかにしていた。

 総裁選は通常、国会議員票に加えて全国の党員・党友による投票を実施し、地方の声を反映する仕組みだ。このため「簡易総裁選」では地方の声を反映できないとして、党内でも反発は強い。小林史明青年局長ら若手有志は31日に二階幹事長に党員投票の実施を求め、145人の署名を提出。下村博文選挙対策委員長や稲田朋美幹事長代行も「党員参加型の総裁選を」と訴えており、党幹部内でも意見が割れていた。

 岩手、山形、神奈川、岐阜、三重、滋賀、大阪、兵庫、鳥取、島根の10府県連も、党本部に党員投票の実施を要望した。

 総裁選の選出方法は選挙戦の行方を左右するだけに、各立候補予定者も強い関心を寄せていた。菅義偉官房長官、石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長の立候補が確実視されているが、党内の主流派閥から支持を得る菅氏に対し、石破氏は党内基盤が弱い。一方で石破氏は地方からの支持は厚いため、党員投票を省く簡易型の総裁選は「石破潰し」との見方も出ている。

 菅氏は1日の会見で、党員投票の実施を求める声が党内から出ていることについて問われたが、「いち国会議員としての見解を申し上げる場ではない」として言及を避けた。