沖縄)避難所でコロナ対策 世帯別テント、体調で色分け
大型で非常に強い台風9号は8月31日、新型コロナウイルス流行の続く沖縄県内を直撃した。避難所を設置した各自治体は感染を防ぐため、入場時の検温に加え、「3密」対策で世帯ごとのテント設置や、独自のリストバンドで体調不良者を区分けするなど、対策を講じる。自治体の担当者は「避難所での感染を防ぎ、全員を無事に自宅へ帰したい」と万全を期す。
南城、浦添両市は感染防止策で、市役所内に屋外用テントをそれぞれ20張り、11張りを設置した。南城市で避難した男性(73)は「コロナ感染の不安が減る」とほっとした様子。市担当者は「どんなに対策を練っても感染リスクをゼロにすることは難しいかもしれないが、最大限努力して市民の不安を取り除きたい」。
浦添市でテントを使った女性(76)は「コロナ感染防止の良い対策だ。インスリン注射が必要だが、思い切って避難して良かった」と話し、避難所を巡回している保健師は「集団感染を防ぎ、全員を無事に帰す。これまでにない緊張感だ」と気を引き締めた。
豊見城市は、避難所の来訪者が体調不良者と分かるようにリストバンドを作った。一般の避難者は緑色、高齢者は黄色、発熱などの体調不良者はピンク、感染者の濃厚接触者は市花のブーゲンビレア柄の4種類。市役所庁舎では地下駐車場で検温・問診後にバンドを装着し、階ごとに分けて案内した。
約2.5メートル四方のプラスチック製の仕切りで世帯ごとの避難スペースを確保したのは宮古島市平良庁舎。体調不良者専用のスペースも設けた。市防災危機管理課の友利幸正課長は「体調が悪いなどの訴えがあれば、病院に搬送する体制も取った」。西原の町民交流センターは、部屋だけでなくトイレも分ける想定だ。
那覇市役所では、体調不良を訴える避難者がいた場合は別室を設け、トイレや動線を分け対応する。仮に感染が後日判明した際に追跡調査ができるよう、入場時に氏名・住所の記述を必須とした。
市の担当者は「密になってはいないが、高齢者が多いのが気になる。コロナ対策も加わり、通常の避難所運用より神経を使う」と話した。(沖縄タイムス)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。