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 東京都内の高級すし店に勤務していた都内の男性(20)が、タトゥー(入れ墨)があるという情報だけを理由に解雇されたとして、解雇の違法確認などを求める労働審判を1日、東京地裁に申し立てた。タトゥーは見た目でわかる部位にはなく、就業規則でも禁じられていないといい、男性は「一方的な解雇で不当だ」と主張。店側は取材に「適切に対応を行う」としている。

 男性の代理人の池田佳謙(よしかね)弁護士によると、男性は2018年4月から店に勤務。客の前ですしを握るのではなく、厨房(ちゅうぼう)で焼き物を作るなど板前の補佐をしていた。だが、店長と会食した今年7月、同席した友人が男性にタトゥーがあると話したところ、その2日後に、本人への確認はないまま、「会社の名誉を害した」として解雇された。

 弁護士が交渉すると、店側は解雇を撤回するとしたものの、入れ墨を完全に除去するまで「下ごしらえの業務」を命じたという。

 池田弁護士はこの日の会見で、「男性は信頼関係を壊されて恐怖を感じ、今も職場復帰できていない」と説明。会社側は、突然の解雇の違法性を認めるべきだと主張した。

 労働審判は06年に導入された手続きで、裁判官と有識者が当事者の話を聞き、短期間で問題解決をめざす。原則3回までの審理で調停ができなければ、裁判所の審判を受け、審判内容に不服があれば通常の訴訟に移る。(阿部峻介)