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 プロ野球阪神の藤川球児投手(40)が1日、残り2カ月半のシーズンで完全燃焼を誓った。1日に兵庫県西宮市内で開いた引退記者会見。力強い言葉を並べながら、長い現役生活を振り返る質問には涙ぐみ、言葉を詰まらせる場面もあった。

 22年間のプロ野球人生について問われると、藤川投手は「幸せなことにあと2カ月半ある。自分なりに精いっぱいタイガースに貢献したい」と答えた。「いつ潰れてもいいという覚悟で25歳からやってきたので、なかなかこう、僕、戦の話が好きで、粉骨砕身という意味で……」。うつむいて声を詰まらせた。

 肩やひじの状態については明言を避けたが、球団には「手術が必要なレベル」と伝えたという。記者会見の前には2軍の鳴尾浜球場でキャッチボールをした。「どうしても自分の力が必要になることもある」と復帰に意欲を示す。

 代名詞の「火の玉ストレート」の変調は昨季から感じていたという。全盛時は自分でも「簡単に三振が取れる」と自信を持っていたが「自分の体の変調。いわゆる寿命」と受け入れた。

 繰り返し、力説したのは阪神というチームへの愛着だ。「この人生しかないし、名前は藤川球児なんで。失礼かもしれないけど、自分が一番タイガースに似合っていると思う」

 時に厳しいヤジも浴びたが、ファンを「家族」と呼び、厳しい声を「覆すことが楽しかった」。このタイミングでの発表もファンへの思いがあったから。コロナ禍で現在も観衆は上限5千人。「僕は満員のお客さんに応援をいただいてやってきた。発表が遅れると、自分のストレートを見たいと思ってくれるファンが球場に来るチャンスも少ないから」

 18歳で阪神に入団し、阪神で終わる。後輩たちに背中を見せたいという思いも強い。「俺に負けているようじゃだめ。巨人に勝てない」。会見後は甲子園球場に向かい、試合前の1軍選手たちを激励した。(伊藤雅哉