「香港に全面的な自治ない」 林鄭氏、行政権の優先強調

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広州=奥寺淳
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 香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は1日の定例会見で、「香港には三権分立はない」との考えを明らかにした。中国政府の意向を踏まえて施政を行う香港政府の行政権が、司法や立法権に優先されるとの立場を示したもので、「一国二制度」のあり方にも関わる認識として波紋を呼びそうだ。

 かつて中国政府高官が、行政長官や中国政府の権限が「(香港の)三権よりも上にある」との立場を示したことはあったが、香港政府トップがそうした見解を公に追認したのは初めてとみられる。

 林鄭氏は会見で、香港で認められているのは「全面的な自治ではない」と強調。香港の行政、立法、司法権は中国政府から与えられ、それぞれが協力しバランスを取り合う関係にあると述べた。その上で中国政府の権限のもと、「独特な政治的地位」にある行政長官の権限が立法権や司法権に優先されるとの考えを示した。

 香港では中国返還後に認めら…

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