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 藤川球児投手の引退会見では、阪神の後輩たちへの言葉が繰り返された。プロ人生の大半を過ごしたチームには「生え抜きが育つ大変さ」があると認める。一挙手一投足が注目される人気球団。選手は他人の目を気にしてしまう。それも自身が「通ってきた道」だ。

 大リーグではけがに泣き、解雇され、みじめな思いもした。阪神だから大切にされることも分かっている。あらゆる経験をして、たどり着いたのが「勝つことがプロ。数字を出すのがプロ」という持論だ。

 今年1月、数年前からウェートトレーニングをやめたことを明かした。チームでは一時、必修科目のようになっていたが、自分には合わないと感じ、器具を使わないトレーニングに切り替えた。昨季16セーブと守護神の座を奪回し、「もう言ってもいいかな」と切り出した。「努力するのが格好いいとか、みんなやっているからやる、はプロじゃない」と言った。

 結果を出せば方法は問われない。プロの世界は勝利が、数字が全て。最後の力を振り絞る中で、球児が伝えたいことの一つだ。(伊藤雅哉