「認めてくれた。生きていける」不登校経験者が新聞広告

藤野隆晃
[PR]

 「両親が不登校を認めてくれた。生きていけると思った。」

 1日、和歌山市を中心に配達される地元紙「わかやま新報」の朝刊1面に、広告が掲載された。広告主は不登校経験者。自身の体験から、学校に行かないという選択肢があると示すことを狙ったという。

 広告を出したのは和歌山県湯浅町出身の小幡和輝さん(26)。学校の集団生活などになじめず、小学2年生ごろから不登校になった。中学卒業まで学校に行かなかったが、その間にゲームを通じて歴史を学んだり、友人ができたりと、様々な経験を得た。高校在学中に起業し、現在はゲームの家庭教師サービスなどを運営。2018年には、不登校中の自身の体験をまとめた著書「学校は行かなくてもいい」を出版した。

 夏休み明けの9月1日は子どもの自殺が多いとされる。小幡さんは少しでも自殺する人や周囲で後悔する人を減らそうと、広告の掲載を思いついた。「わかやま新報」を発行する和歌山新報社の津村周社長は「思いに共感した」と話す。

 小幡さんは、学校の存在を否定するわけではないという。ただ、どうしても合わないという子どもは存在し、学校に行かないことが人生を変える転機になるかもしれない。新聞広告を通じ、親に向けてメッセージを伝えられたら――。「不登校を認めてくれたことで人生が救われた、という当事者の声を届けたかった」藤野隆晃

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料