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 茨城県牛久市で障害のある子どもを抱える夫婦が、コロナ禍で奮闘する医療・福祉従事者を支援するプロジェクトを始めた。コロナに負けずに「笑おう」と歌う動画を配信。原曲と、原曲を歌ってもらう投稿動画の再生を呼びかけ、広告収入でマスクなどの医療物資を寄付する取り組みだ。

 プロジェクトは「Sing for carers!(ケアする人たちのために歌おう)」。市内在住の中島龍次さん(42)と妻の沙都美(さとみ)さん(37)が企画した。長女(9)は重度の障害があり、人工呼吸器や痰(たん)吸引器などを使い、在宅で暮らしている。ほぼ寝たきりの医療的ケア児だ。

 プロジェクトのきっかけは、長女が昨年10月から半年間、県南の病院に入院したことだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療従事者のマスクや防護服などの不足が深刻になり、「感染リスクを抱えながら治療にあたる現場の過酷な状況を肌で感じた」と龍次さんは話す。

 「医療的ケア施設への感謝を伝えるためにできることはないか」。そう考えて、動き始めた。

 自作の歌を動画サイトに配信。歌う様子や応援メッセージを掲げる動画を募集し、1本の動画にまとめて投稿する。オリジナル曲の視聴と、投稿動画の再生回数に合わせて支払われる広告収入を寄付する仕組みだ。

 原曲のタイトルは「ソノサキ」。沙都美さんが作詞作曲し、福岡県の音楽プロデューサー、堤秀樹さん(57)がプロジェクトに賛同して編曲を引き受けた。沙都美さんがメインボーカルを務め、牛久市内のスタジオの協力で、仲間のミュージシャンら5人で録音した。

 ♫わらって わらって わらっていたら いつの間にか 新しい未来が飛び込んでくるから♪

 沙都美さんの澄んだ声と友人の男性ミュージシャンのラップも入れた軽快なリズムで、コロナ禍でふさぎこみがちな雰囲気を吹き飛ばすような歌だ。

 夫婦で長女に付き添う姿や仲間のミュージシャンらが歌う動画も撮影。7月末から、牛久のインターネットテレビ「ちゃんみよTV」のユーチューブチャンネルで公開している。

 目標は300万回以上の再生で得られる約100万円の広告収入だ。県によると、医療的ケアが必要な20歳未満は県内に約390人いるという。夫婦は県内で医療的ケア児を受け入れている病院や障害福祉施設の計約30カ所を優先に、マスクや消毒液、防護服などを寄付する計画だ。

 沙都美さんは「歌を口ずさみながら動画を再生してほしい」。龍次さんも「少しでも医療的ケア施設従事者らの励みになれば」と話している。

 問い合わせは「Sing for carers!」のホームページへ。(佐藤清孝)