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 原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」(青森県むつ市)について、原子力規制委員会は2日、安全対策の基本方針が新規制基準に適合すると認める審査書案を了承した。原発の敷地外に建設される専用の貯蔵施設は国内初。東京電力と日本原子力発電の共同出資会社「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が運営し、2021年度の操業開始を目指す。

 使用済み燃料を高さ約5メートルの円柱状の頑丈な金属容器(キャスク)に収めて二重のふたで密閉し、空気の流れで自然冷却する「乾式貯蔵」という方式を使い、電気で水を循環させる必要がある燃料プールより災害時も安定的に保管できる。キャスクは建屋内に固定して保管する。貯蔵容量は使用済み燃料約3千トン分。東電柏崎刈羽原発(新潟県)や日本原電東海第二原発(茨城県)などから年200~300トンを搬入し、将来は容量を5千トンに増やす計画だ。

 国は使用済み燃料を再処理してプルトニウムなどを利用する核燃料サイクル政策を掲げているが、日本原燃六ケ所再処理工場(青森県)はトラブルなどで完成予定が当初から25年遅れ。プルトニウムの使い道も限られ、サイクル政策は事実上破綻(はたん)している。東電と日本原電は05年に県、むつ市と結んだ協定で貯蔵は最長50年と約束したが、地元には、いつまでも搬出されず事実上の最終処分場になることを懸念する声がある。

 電力各社でつくる電気事業連合会によると、全国の原発敷地内で貯蔵する使用済み燃料は計約1万6千トン、容量の75%に達する(今年3月末時点)。満杯になれば燃料が交換できず原発を運転できなくなるため、30年ごろまでに、むつ市の施設を含め容量を計約6千トン増やす計画だ。四国、中部、九州の3電力は敷地内にそれぞれ数百トン規模の乾式貯蔵の施設を建設予定。関西電力は敷地外に2千トン規模を検討し、年内にも計画地点を示すとしている。

 むつ市は今年3月、財源確保のためにこの事業に課税をする「使用済燃料税条例」を制定。操業開始からの5年間で94億円の税収を見込むが、「事業が立ちゆかなくなる」と減免を求めるRFS側との協議が難航している。宮下宗一郎市長はこの日、「早く合意に向かって段取りをつけてほしい」と歩み寄りを求めた。(桑原紀彦、伊東大治)