若松真平
「物干しは、ただ洗濯物を乾かす日用品ではありません。お客様の毎日の幸せを支えているのだと思っています」。通販で購入した物干しざおと一緒に届いたお礼状に書かれている一文だ。2億円近くの借金で倒産の危機にあった会社を立て直した社長が、長文に込めた思いとは。
1984年に名古屋市港区で創業した豊臣金属。アルミ製の物干しざおが主力で、企画から製造、販売までを自社で手がけている社員10人に満たない小さな会社だ。
8月下旬、豊臣金属の物干しざおを買ったという人が、同封されていた「お礼状」をツイッターで紹介した。
お礼状には女性とみられる筆跡で、洗濯物が干された物干しざおのイラストとともに、こんな長文が書かれている。
◇
この度は当社の製品を購入していただきありがとうございます。
当社は名古屋の小さい会社ですが自社工場で国内の材料を使い丁寧に思いを込めて製造しております。
当社にとっての物干しは、ただ洗濯物を乾かす日用品ではありません。
お客様の毎日の幸せを支えているのだと思っています。
1日1日を見れば洗濯物を支えているだけかもしれませんが、長い年月で見ると家族の歴史を見せてくれます。
例えば楽しかった時に着ていた…
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朝日新聞社会部