第5回第2次安倍政権の「新しい国家主義」 教育も経済重視に

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編集委員・氏岡真弓増谷文生
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 来春から使われる中学の教科書で、領土の記述が現行より詳しくなった。

 例えば尖閣諸島。ある公民の教科書にはこうある。「領土問題は存在しない一方で、中国や台湾が領有権を主張している尖閣諸島」

 「領土問題は存在しないことも扱うこと」とする新しい学習指導要領の要請に沿ったためだ。

 大阪府の中学教員の男性(50)は「尖閣諸島は『領土問題がない』のに、なぜ中国と摩擦が起きるのか。生徒に説明しづらいので、授業ではサッと通過して終わり」と言う。

イデオロギーから経済対策へ軸足

 「個の尊重」から「公の精神」の重視に転じた教育基本法の改正、「徳育」の教科化――。経済が好調だった第1次安倍政権が打ち出した教育政策はイデオロギー色の強さが目立った。第2次政権の前半も、第1次政権で果たせなかった道徳の教科化を実現。教科書は政府見解がある場合、それに基づく記述を入れるよう教科書会社に求めた。官邸主導で、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の「下請け機関」的な性格が強まったことが背景にあった。

 一方で、2008年のリーマ…

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