1400万円で国籍が買える国 中国人が次々、不安視も

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シドニー=小暮哲夫
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 太平洋の島国バヌアツで、外国人への「国籍売却」が急増している。高額の申請料を払った外国人に国籍を与える制度で、人口30万人の小国で最大の財源に。事業を担当するバヌアツ国籍委員会によると、「買い手」の多くは中国人という。

 同国では2017年に現行の制度を導入。申請料は1人13万ドル(約1400万円)で、家族も含む場合は追加の申請料を払う。例えば、夫婦と子2人の場合は計18万ドルになる。治安当局による犯罪歴などの審査を経て国籍が与えられる。同国での居住は、国籍付与の条件になっていない。

 政府の報告書によると、この制度による収入は昨年、当初予算額の1・9倍の122億バツ(115億円)に達した。政府の歳入の3分の1を占める額で、国籍委員会によると、新たに数千人が国籍を得た。今年は1月から8月半ばまでの収入が96億バツだった。

 法人税所得税がない同国では長年、日本の消費税にあたる付加価値税が最大の財源だったが、18年にこの制度の収入が取って代わった。

 国籍申請は、代行業者を通じて海外からもできる。中国本土や香港の人が目立ち、国籍取得後も「80%以上が我が国には来ず、居住もしていない」(国籍委員会)という。

 申請者には、外国への渡航の…

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