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 大阪市を廃止して四つの特別区に再編する大阪都構想の制度案について、大阪市議会は3日、大阪維新の会と公明党の賛成多数で可決した。大阪府議会に続いて議決したことで一連の議会手続きは終了。否決に終わった前回2015年に続いて2度目となる住民投票は10月12日告示、11月1日投開票の日程で行われることが固まった。

 都構想は府と市が担う権限が重なる「二重行政」の解消が目的。道府県と政令指定都市が対立することも多い構造は全国的な課題でもある。住民投票で賛成多数となれば、1956年の制度発足以来、初めて政令指定都市を廃止する大規模な制度改編となる。地方自治のあり方に大きな一石を投じることになりそうだ。

 この日の本会議(定数83)では、維新(議長を除いて39人)と15年は反対した公明(18人)が賛成。自民党(19人)と共産党(4人)などの25人が反対した。公明は15年と19年にあった知事選と市長選のダブル選で維新が圧勝したことに危機感を強め、賛成に転じた。

 採決に先立つ討論で、維新の守島正市議は「真の地方分権への流れを生み出す歴史的な一歩になる」と主張。自民の川嶋広稔市議は「都構想は15年の住民投票で決着している。制度案にはリスクや課題しかない」と訴えた。

 一連の議会審議では、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなかで住民投票を行うべきかどうかも焦点となったが、維新が押し切った。可決後、維新代表の松井一郎市長は「丁寧に説明し、賛成多数の形を作りたい」と述べた。

 制度案では、政令指定市の大阪市を廃止して東京23区のような四つの特別区に分割し、インフラ整備などの広域行政を府に一元化する。大阪市民を対象とする住民投票で賛成が過半数となれば特別区設置が決まり、25年1月1日に新制度に移行する。

 松井一郎市長は、仮に近い時期に衆院選が行われる場合、住民投票の日程を変えて、同じ日に投票すべきだとの考えを示している。(笹川翔平)

都構想制度案の骨子

 ・大阪市を廃止し、四つの特別区に再編

 ・各特別区に公選区長、区議会を置く

 ・インフラ整備や成長戦略などの広域行政は府に一元化し、子育てなどの住民サービスは特別区が担う

 ・特別区庁舎は新設せず、既存の市役所本庁舎と区役所を活用

 ・府は特別区設置から10年間、各特別区に毎年20億円ずつ配分

 ・特別区への移行は2025年1月1日