味わいにも魅了 ベトナムコーヒー豆の需要拡大中

松田史朗
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 ベトナムコーヒー豆の国内需要が伸びている。安価でインスタントコーヒーなどに多く使われてきたのが理由だが、近年は品種の改良も進み、その味わいにも魅了される人が増えているという。

 財務省貿易統計によると、ベトナムからのコーヒー生豆の輸入量は2010年、ブラジルコロンビアインドネシアに次ぐ4位の約5・4万トンだったが、12年には7・5万トンとコロンビアを逆転して2位に。今年の前半(1~6月)には5・7万トンとブラジルの5・4万トンを上回ってトップに立った。

 全日本コーヒー協会の内藤明専務理事によると、コーヒー豆の種類はアラビカとロブスタに大別される。アラビカ種は育て方が難しく病害虫に弱いが、味はすっきりしてレギュラーコーヒー向け。一方、ロブスタは苦みが強く、インスタント、缶コーヒー向け。ロブスタの価格はアラビカの約6~7割程度という。

 ベトナム産はロブスタが大半。輸入増の背景には価格競争力と安定供給力があるが、内藤専務理事は「品質が向上したことも一因」とみる。

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 実際、アラビカ種並みの味わいを備えた豆も出てきている。15年以上、ベトナム農家の支援にあたってきたネスレグループ(ネスレ日本)の広報担当者は「乾燥など収穫後の工程がきちんと行われ、水分による豆の劣化が少なくなった。生産量の増加はベトナム農家の熱心さが要因だ」と話す。

 特定のベトナム農家と組み、より厳選したベトナム産のコーヒー豆を日本国内に広めようとしているハチ・コーヒーロースト(兵庫県宝塚市)の黒田吉範さんは「品質の高いロブスタは世界で認められつつあり、無限の可能性がある」と話す。(松田史朗)

 メモ ハチ・コーヒーローストでは風味の異なるベトナム産コーヒー豆(レギュラー向け、ロブスタ種)を3種類販売している。いずれも80グラムで、左からナチュラル(税込み738円)、ハニー(同595円)、ウォッシュ(同515円)。