「踊る大捜査線」大物Pが自主映画 「あこがれだった」

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小峰健二
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 実写の日本映画史上、最も稼いだ実績を持つ製作者が自主映画に関わった。「踊る大捜査線」シリーズのプロデューサーで、現BSフジ社長の亀山千広さん(64)だ。製作が始まった当初は発表の当てもなかった低予算映画だったが、製作総指揮の立場でテコ入れをし、公開するまでにこぎ着けた。

 「ひいきにしているバーがよく閉まっていたことがそもそもの始まりなんです」。亀山さんはそう振り返る。

 数年前のこと。東京・白金にあるバーの店主・星野哲也さん(55)が頻繁に東北に出かけ、不在がちだった。岩手県一関市のジャズ喫茶「ベイシー」と、そのマスターを題材に映画をつくるためだと聞いた。

タモリ鈴木京香が通う「聖地」の記録

 半世紀にわたって営業するベイシーは、その音響の良さを目当てに全国からジャズファンやオーディオマニアが集う有名店。サックス奏者の坂田明さんなどミュージシャンはもとより、タモリさんや鈴木京香さんら有名人も通い、「聖地」とも呼ばれる。マスターの菅原正二さん(78)が高齢ということもあり、「今のうちに記録しておきたい」と星野さんはカメラを手に東北に向かい、作品づくりを始めていた。

 大学時代からジャズに狂った亀山さんも、星野さんと連れだって約15年前からベイシーを訪ねるファンの一人。映像に関しては素人の星野さんから、次第に苦労や愚痴を聞くようになり、製作体制が十分でないことを知る。「ほぼ1人でやっている。だったら、俺たちが入って、組み立て直した方がいいのでは」と思い立った。「バーというのは、客の愚痴を店主が聞くものでしょう。その逆になっていたから、しょうがないなあと思ってね。本人は助けてとは言わないから、なかば無理やり製作に入ったんだ」と苦笑する。

 1年半ほど前、亀山さんは…

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