西村圭史
突然の首相退陣を、自民党の岸田文雄政調会長は講演のために訪れた新潟市で聞いた。急いで帰京したものの「ポスト安倍」をめぐるうごめきは、岸田氏抜きで一気に進んだ。数日のうちに5派閥が菅義偉官房長官の支持を表明。「大事な時に東京にいないなんて致命的だ」。自民党内ではそんな辛辣(しんらつ)な声も聞かれる。
岸田氏が期待していた麻生派や細田派も菅氏支持。岸田派(宏池会)内には悲愴(ひそう)感が漂う。「こんな形ではしごを外されるなんて」。同派幹部はそう顔をゆがめた。別の幹部は悔やむ。「禅譲を狙うという戦略自体、取るべきではなかった」
派内には撤退論もくすぶったが、岸田氏は1日、「国民のため、国家のため、私の全てをかけて取り組む」と正式に出馬を表明した。同派幹部は「『負けそうだから、またしっぽを巻いて逃げた』と思われたら、政治家として終わる」と苦しい状況を解説した。
首相の退陣発表から2日後、岸田氏は麻生氏を訪ねていました。総裁選での支援を依頼する岸田氏に、麻生氏はある「宿題」を課しました。それを受け、岸田氏は首相官邸へ。総裁選をめぐる舞台裏を追いました。
岸田氏は吹っ切れたかのように発信を強める。3日には一番乗りで政策集を公表。会見では菅氏が掲げる「安倍政権の継承」に対し、「私は安倍政権時代の政策の発展、充実」と主張し、「どんな政策も5年10年と同じことをして通用するほど世の中は甘くはない」と指摘した。
同日夜に出演したBS番組では…
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