藤井二冠に刺激、高校生がプロ女流棋士に 敗北で目覚め

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田島知樹
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 富山市の高校2年生、野原未蘭(みらん)さんがプロの女流棋士になった。「人の名前や顔を覚えるのは苦手」と無邪気に笑う17歳だが、将棋盤の前では勝負師の表情に変わる。同世代の藤井聡太二冠(18)に刺激を受け、「尊敬される、謙虚な棋士」を目指したいという。

 5歳の頃、将棋好きの父克仁さん(50)から教わったのが出会いだった。小さな頃からピアノ、水泳、チアリーダーと習い事に励んだが、将棋は「面白い、もっとうまくなりたい」と思えた。週1回、富山市内の教室に通うようになった。同年代の10人ほどが集まり、勝ったり、負けたり。時にはかけっこをして怒られたり。楽しみながら過ごしているうちに、勝ちが増えていった。

 ライバルが出現した。同い年の男の子。どの大会でも決勝で顔を合わせるようになり、そして負けた。「どうしても勝ちたい」。勝負への目覚めを見てとった克仁さんが勧めたのが、石川の強豪アマ、鈴木英春さん(70)の教室「晩成塾」だった。

 教室の中学生や高校生はプロを目指すつわものぞろい。最初は圧倒されたが、すぐ「強い人にどんどん教えてもらえる環境」になじんだ。同時に、自身もプロを漠然と意識するようになった。鈴木さんは「物おじしない積極的な子でした」と振り返る。実力を見抜き、自身が編み出した戦法「英春流」を伝授。富山市の野原さん宅にも出向き、マンツーマンで教えた。

 成果は1年後に出た。全国大会の県予選決勝であのライバルに勝った。「めちゃめちゃうれしかった。お父さんもひくくらい喜んでくれました」。以降、怒濤(どとう)のように優勝杯をさらった。中学生名人戦を制し、女流アマ名人戦では前人未到の3連覇を達成した。

 周囲の注目が増す中、忘れら…

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