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 過剰な自意識をこじらせ、腐らせ、仲間とつるんで青春を浪費する大学生を描いた人気作『四畳半神話大系』から16年――。奈良在住の作家・森見登美彦さんが新作『四畳半タイムマシンブルース』(KADOKAWA)を出した。京都に拠点を置く劇団「ヨーロッパ企画」代表の上田誠さんの戯曲が原案。関西を拠点にエンターテインメントの先端を切り開き、小説と演劇の境界で出会った二人。互いの創作作法について、リモート対談で語り合った。

 ――上田さんの戯曲「サマータイムマシン・ブルース」(以下、原案)は、さえない大学生たちが突然現れたタイムマシンに翻弄(ほんろう)される喜劇です。森見さんがそれを『四畳半神話大系』(以下、『四畳半』)と合体させる形で、小説にしようと思ったきっかけは?

 森見登美彦 2010年にアニメ化された『四畳半』をはじめ、いつも上田さんに、僕の小説をアニメの脚本にしてもらっていました。なので、たまには逆のパターンをやってみたいと。ただ全く自信がなかったので、本当はこっそりやるつもりでした。それが、つい編集者にぽろっと言ってしまい、「早く話を通さないと」となって。

拡大する写真・図版森見登美彦さん(C)迫田真実/KADOKAWA

 1979年、奈良県生まれ。京大院在学中の2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞。著書に『有頂天家族』など。

 上田誠 森見さんは最初、「できたらいいんですけどね」ぐらいの感じで、すごく退路を残しているなぁと。

 森見 失敗したら、いろいろ気まずくなるじゃないですか……。上田さんの戯曲の中では、原案は比較的手掛かりがあったというか。(『四畳半』と同じ)大学生が主人公だったり、主人公と女の子のロマンスがやんわりあったり。ちょこちょこっと、僕の付け入る隙があったので。

 上田 小説の切り口が見えた?

 森見 そうですね。原案をその…

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