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 国際原子力機関(IAEA)が今月開く理事会に向け、イランの核開発について検証する報告書の内容が4日、明らかになった。

 イランによる低濃縮ウランの貯蔵量は増え続け、約2トンあまりに達した。一方、IAEAが先月下旬にイランと査察受け入れで合意した核関連施設2カ所のうち1カ所の査察をすでに実施したこともわかった。

 イランと米欧などとの核合意では、核燃料の原料となる低濃縮ウランの貯蔵を202・8キロ(六フッ化ウラン300キロに相当)に制限している。今回の報告書では、8月25日時点で計2105・4キロと制限値の10倍を超え、約3カ月前の計1500キロ余りから500キロ以上増えた。貯蔵量の約9割は濃縮度が制限の3・67%を超える4・5%。ウラン濃縮度を20%まで高めれば、核兵器の製造に必要な90%の高濃縮ウランを短期間でつくれるとされる。

 イランの核開発を制限する核合意は2015年、米英仏独中ロ6カ国とイランが結んだ。米トランプ政権が18年に合意から離脱し、対イラン制裁を再発動すると、イランは対抗措置として縮小していた核開発を段階的に再開。低濃縮ウラン貯蔵量の制限などを相次いで破り、今年1月には「運用面ではもはや核開発に制限はない」と宣言した。(ウィーン=松井健)